明治のSF小説【三百年後の東京】の出品です。横田順弥さんによれば、この本は、アメリカの政治家で作家だったイグナテイウス・ドンネリー原作「シーザー記念塔」からの、かなり大胆な翻案小説だという。訳者は、月露行客。ジャーナリストか？、正体は不明。また、この本が、かなり見かけないのは、発禁か、何らかの理由で、発売を中止したためだろうと言う。それは、自殺容認の社会になることを、かなり強調しているいることが原因ではないかと。原作では百年後なのを、三百年後とし、原作ではこれまた、なかった＜冷凍睡眠装置＞を利用して東京を見に行く等、かなりの加筆を加えている。

◎大学館刊 初版 明治３６年６月発行 折込石板口絵入 ２０３頁 序文あり


▲状態は経年のスレヤケシミ等あり、裏表紙に、虫穴等もありますが、本は比較的しっかりしており、記名や蔵書印はなく、まずまずのコンデションです。